2021年6月30日
|2022年7月4日
プログラミングを独学で学習するために、書籍やネットで調べてみたけれど、「結局何から始めたらいいのか分からない」。このように、スタート時点でつまずいているプログラミング初心者の方は多いのではないでしょうか。
この記事では、プログラミングを始める前に必要な基礎知識の解説と、プログラミングの始め方を4ステップでご紹介します。記事の後半では、プログラミング学習を実践で活かす方法もご紹介しますので、就活を控えている方も参考にしてみてください。
この記事の目次
プログラミングとは、そもそも何なのか、習得すると何ができるのか。興味があってもいまいちわからなくて、プログラミングを始められていない、そんな方もいるのではないでしょうか。プログラミング学習を始めるには、基礎知識を理解して、自分の目的にあった方法で進めていくことが重要です。まずは、プログラミングの基礎知識を簡単に解説します。
プログラミングとは、コンピュータにしてほしい仕事を、プログラミング言語を使って指示することです。この指示内容を書き出したものをプログラムといい、指示書を作成する人をプログラマーといいます。コンピュータは指示書に沿って仕事をするので、誤った指示をだすと結果が返ってきません。プログラミングでは正確な指示書を作成し、コンピュータへ伝えることが求められます。
プログラミングで制作・実現できることは、多岐にわたります。身近なものでは、Webサイトやゲームなど。その他にも日常生活の中で、プログラミング技術が活かされているサービスや事業がたくさんあります。例えばどのようなものが開発できるのか、いくつかご紹介しますので、自分は「何を作りたいのか」を考えるヒントにしてみてください。
皆さんが今見ているこのサイトも、プログラミング技術が活用されています。ほとんどの方が、検索サイトやニュース、天気予報など、日常的に何かしらのWebサイトを閲覧しているのではないでしょうか。ポップアップウィンドウが表示されたり、ボタンをクリックするとリンク先へ飛んだりするのも、プログラムによって動作が組まれています。
身近で使っている有名なアプリといえば、LINEやTwitter、FacebookなどといったSNSです。スマートフォンにインストールされているアプリも、すべてプログラミングが使われています。私たちの生活が便利になるにつれ日常に欠かせないものとなっており、世界中で多くのアプリが開発されています。
ゲームには、PlayStationといった家庭用ゲーム機器や、パソコンでできるゲーム、スマートフォンゲームと多くの種類がありますが、すべてプログラミング技術によるものです。
システム開発で一般的に知られているのは、会社で業務を効率化するシステムです。在庫管理や会計管理など、業務を自動化することで作業効率が向上するシステムも、プログラミング技術が活用されています。コロナ禍によりリモートワークが推進され、業務効率を向上させるシステムを導入する企業も増えています。ほかにも、銀行のATMやセキュリティシステムなど、ふだん身の回りで稼働しているシステムはすべて、プログラムが動くことで操作が行えるようになっています。
日常生活にある家電製品も、電子機器プログラムで動いています。炊飯器や冷蔵庫、電子レンジや洗濯機など、プログラミング技術は便利な生活を成り立たせているといってもいいでしょう。例えば炊飯器は、炊飯ボタンを押すと、お米を炊く動作が始まるようにプログラムが組まれています。ほかにも、エスカレーター・エレベーターなど、自動で動くものはプログラミングで制御されていて、高い専門性や技術力が求められる傾向にあります。
機械学習を用いたAI(人工知能)技術によるサービスは、さまざまなところで展開がされています。例えば、スマートスピーカーや画像認識、音声認識などもプログラミング技術によるものです。今までオペレーターが対応していたコールセンターも、顧客の音声から要望を認識し、自動応答で対応することが可能になってきています。過去の大量なデータを学習し、人間の知能のような判断や判別処理をするサービスができるようになるのです。
ここからは、プログラミングの始め方を初心者にもわかりやすい4ステップで解説します。
まずは、目的や目標、作りたいものを明確にして、プログラミング学習が遠回りにならないように効率よく進めていきましょう。
プログラミングで実現したい目的や目標を決めることは、プログラミング学習のモチベーションの維持や、学習行程の確認に役立ちます。
プログラミング技術は、とても幅の広い技術です。IT企業に就職したい、副業で稼ぎたい、AIに携わりたいなど、目的によって身につけるべき技術が変わってきます。まずは目的を明確にしましょう。
また、目標は3ヶ月以内に技術を習得する、そのためには毎日3時間学習するといった学習計画を立て、1日の学習で目標とする学習範囲や習得するまでの期限を決めると効率よく学習を進められます。
目的が決まれば、プログラミングで何を作りたいのかを考えましょう。たとえば、副業で稼ぎたいのであれば案件数の多いWebサイト制作を検討するなどです。プログラミングは「何を作りたい」のかによって、学ぶプログラミング言語や必要な開発環境が変わります。
とにかくIT企業へ就職したいなど、目的をピンポイントに絞り込めない方は、最終的な目的を意識しつつ、初心者でも比較的簡単に作ることができる、Webサイト制作やアプリ開発から始めてみてください。
目的や作りたいものが決まれば、その目的に沿ったプログラミング言語を選びましょう。プログラミング言語は目的に合わせて使い分けられていることが多く、得意不得意の分野が存在します。まだ「目的」や「作りたいもの」が決まっていない場合、初心者でも習得しやすい言語や人気の言語を参考にしてみてください。
プログラミング言語は200言語以上存在するといわれています。たくさんの種類がありますが、主に使われるのはこの10分の1程度です。プログラミング言語は目的や用途によって、適した言語が異なります。自分の目的に合ったプログラミング言語を選び、学習を進めましょう。目的別に代表的なプログラミング言語をピックアップしました。
目的 | プログラミング言語 | |
Webサイト | HTML、CSS、PHP、JavaScript、Ruby | |
アプリ | Webアプリ | Java、JavaScript、Python、PHP、Ruby、C# |
Androidアプリ | Java、Kotlin | |
iphoneアプリ | Swift | |
システム開発 | C言語、VB、COBOL | |
電子機器制御 | C言語、Python | |
人工知能(AI)、機械学習 | Python |
プログラミング言語の習得の難易度は、言語によってさまざまです。学習するプログラミング言語を決めかねている場合は、プログラミング初心者でも習得しやすいプログラミング言語を選んでみましょう。例えば、Webサイトに使われる言語は直観的に理解しやすいものが多く、書いたコードの動作確認が行いやすいため初心者でも学習しやすいです。また、アプリに興味がある方なら、スマホアプリの開発からプログラミング言語を検討しても良いでしょう。
IT業界で活躍するには、トレンドをキャッチしておくのも重要です。人気が高まっているプログラミング言語をヒントに、自分の興味のある分野を選んでみるのもいいのではないでしょうか。
オランダのTIOBE Softwareが発表した、プログラミング言語の人気ランキング「TIOBEインデックス」2022年3月版では、1位から3位までの順位は、「Python」「C」「Java」という結果でした。「Python」は、2018年以降ほぼ右肩上がりで将来性も注目され、人工知能(AI)やWebアプリなど、汎用性の高い言語として世界的に人気が高まっています。シンプルなコードで、プログラミング初心者も学びやすいプログラミング言語です。
目的やプログラミング言語が決まったら、次は学習をスムーズに進めるための環境準備が必要です。最低限必要なものを3つご紹介します。
プログラミング学習を始めるにはパソコンが必要です。すでにパソコンがある場合は、無理して購入する必要はありません。学習を始めて必要を感じたときに購入を検討しましょう。新しく購入する場合、WindowsとMacには以下のような特徴がありますので、参考にしてみてください。
■ Windows
・選べるハードウェアが多い
・同等スペックのMacと比べて安価
・PCゲームの開発に適している
・Microsoftの開発した言語(.NET系、VBAなど)と相性が良い など
■ Mac
・直感的な操作がしやすい
・仮想環境でWindowsも利用可能
・Apple製品向けのアプリ開発では必須
・Macでなければ基本的に使用できない言語がある(Swift、Objective-C) など
基本的にはどちらでも問題ありませんが、iOSアプリの開発では、開発環境が限定されるためMacが必須となります。
プログラミング学習では、インターネットへの接続が必須です。学習を進めるには、プログラムを書くのに必要なソフトフェアやツールをインストールする必要があります。また、学習内容でわからないことや、エラーの原因を調べる機会も多くあります。
プログラミングの学習方法はさまざまありますが、勉強会やオンラインスクールに参加することもできるようになりますので、Wi-Fiなど、インターネットの通信環境は準備しましょう。
次に、学習に必要なソフトウェアやツールをインストールして、開発環境を整えましょう。プログラムコードを記述するテキストエディタや、統合開発環境(IDE)を用意します。メモ帳などデフォルトのテキストエディタでもプログラムは書けますが、初心者はフリーの統合開発環境(IDE)を活用しましょう。統合開発環境(IDE)は、次のコードの候補を表示してくれる機能や、エラー箇所を知らせてくれるなど、便利な機能が備わっているため、初心者でもスムーズに学習が進められます。有名な統合開発環境(IDE)には、次のようなものがあります。
・Eclipse … 主にJavaの開発に用いられる。他にも多くの言語に対応可能。
・Xcode … Apple社が開発。iOSアプリの開発に必須
・Android Studio … androidアプリ開発に特化
・Visual Studio … Windows社が開発。拡張機能が豊富
環境が整ったら、次は学習方法を検討です。プログラミングを学習する主な方法として、書籍・Webサービス・スクールの3つが挙げられます。自分に合った方法を探すヒントにしてみてください。
書籍は、情報が体系立てて作成されているため、内容のつながりやまとまりがあり、初心者にもわかりやすいのが特徴です。1冊読めばある程度の知識を身につけることができ、短期間で基礎を固めることができるでしょう。また、書籍はその分野の専門の人が書いていて、出版されるまでに校閲なども経ているため、正しい情報を得られます。まずは、自分のレベルにあった書籍を1冊選び、読んだら実際にコードを書いてみるなど、アウトプットを繰り返して学習してみましょう。
Webサービスでは、無料で基礎知識を学習できるサイトや動画があり、パソコンやスマホで気軽にプログラミング学習が始められます。ゲーム形式で学べるものや、短時間の動画解説型のものなど、さまざまなサイトがあるので、自分に合った学習方法のサービスを活用してみるといいでしょう。深く学びたいコースがあれば、購入して中級編や上級編にチャレンジすることもできます。
初心者でもわかりやすい無料のプログラミング学習サイトを4つご紹介します。
・Progate … スライド学習とアウトプット学習で進める、プログラミングの登竜門的な定番サイト。
・CODEPREP … プログラミングを書いて動かしながら学ぶ実践型サイト。最初は穴埋め形式から。
・ドットインストール … 3分動画で無理なく学習。動画数が非常に多く、幅広い分野の知識の学習が可能。
・paizaラーニング … ITエンジニア就職・転職サービス「Paiza」が運営。3分動画とアウトプット学習が特徴。
独学を継続するのが難しい方や、将来プログラミングでIT企業へ就職したい方は、プログラミングスクールの利用を検討しましょう。プログラミングスクールでは、基礎から実践までカリキュラムが組まれており、効率よく学習を進められます。必要な開発環境の設定方法や、学習内容の疑問点など、プロの講師に質問できるので途中で挫折してしまう心配がありません。
出典:『学舎さくら』
IT企業への就職を目指す方は、就職直結型無料プログラミングスクールがおすすめです。プログラミング学習のほかにも、IT企業への就職サポートを受けることができ就職活動の労力を大きく軽減できます。また、紹介先企業からの紹介料で運営がされている場合がほとんどであり、無料とはいえ十分なサポートを受けることが出来るので安心です。首都圏や高知県での就職を目指すなら、就職直結型無料プログラミングスクール「学舎さくら」をぜひご検討ください。
プログラミングを独学で学習するのに大切なのは、モチベーションを維持することです。独学で挫折してしまう理由として、わからないことに直面した時、相談する相手や仲間がいないことが挙げられます。ここからは、インターネットを活用してモチベーションを維持する方法をご紹介します。
身近に、プログラミング学習の相談相手や仲間がいない場合、TwitterなどSNSを活用して繋がることができます。例えば、Twitterでは#駆け出しエンジニアとつながりたい#プログラミング初心者など、ハッシュタグを利用して発信している方が多いです。同じように頑張っている人の存在は、モチベーションアップに繋がるので、自分からも発信して交流してみましょう。
プログラミングのコミュニティでは、学習している言語やスキルレベルなど、自分にあったグループに参加して仲間を見つけることもできます。エンジニア向けの勉強会や研修には、著名なプログラマーが講師として参加しているケースもあり、スキルアップにも効果的です。IT勉強会やもくもく会など、仲間と一緒に勉強をすることで、モチベーションアップにもながります。以下のプログラミングのコミュニティを参考に、自分の興味のあるイベントに参加してみてください。
・connpas … エンジニアをつなぐIT勉強会
・TECH PLAY … ITに関するイベント情報
・Discord … グループチャットなど招待制コミュニティ
独学の場合、コーディングのエラーが解決できず、学習が進まないことでモチベーションが下がってしまうことがあります。そのような場合は、エラーや疑問を解決できる質問サイトを活用しましょう。プログラミングに特化した無料の質問サイトを3つご紹介します。
・teratail(テラテイル) … 技術的な質問がしやすく、迅速に回答を得られる
・Qiita … 豆知識や備忘録、技術情報の共有が可能
・スタック・オーバーフロー(Stack Overflow) … 世界的に有名な技術情報サイト
プログラミングの基礎知識がある程度身についたら、実践を踏まえながらアウトプットしていきましょう。インプットとアウトプットを繰り返すことで、記憶の定着や理解度が高まるといわれています。ぜひ、実践して学習したプログラミングスキルの向上を目指してみてください。
自身が書いたソースコードで、公開しても問題ないと判断した場合は、習作であっても公開していきましょう。「GitHub」では、ソースコードを無料でアップロードや公開ができます。実際の制作現場でも共同開発に欠かせないツールとなっており、エンジニア採用では「GitHub」を利用した開発経験のアピールが一般的となっています。
作成した成果物をWeb上にリリースする場合は、ドメインとレンタルサーバを用意すれば公開ができます。また、レンタルサーバのランニングコストがかかることに抵抗がある方は、HEROKUというサービスを活用することで無料で成果物を公開することも可能です。
本格的にリリースしたい方は、App StoreやGoogle Playなどで手続きを行えば、公開が可能です。成果物を公開することで、反響がモチベーションになることでしょう。
クラウドソーシングサイトは、企業や個人がインターネットと通じて仕事を依頼する仕組みになっています。プログラミングスキルがある程度身についたら、自分ができそうな案件を探して応募してみましょう。特にWeb制作はプログラミング未経験者でも採用されやすく、需要の多い案件です。実際に働くことで足りないスキルが把握でき、その穴埋めをしながらスキルアップすることができます。また、実績の積み上げにもなるので、IT企業への就活やフリーランス活動にも役立つでしょう。
未経験でもプログラミングの基礎知識を学習していれば、IT企業への就職は可能です。未経験で応募している企業は多く、実務の中で学びながら実績を積んでいくことができます。知識だけでなく、システム開発の流れやマネジメントなど、エンジニアに必要なスキルも同時に学べるため、総合的なスキルアップが望めるでしょう。いきなり就職するのに不安がある方は、長期インターンシップを実施している企業もあるので、挑戦してみてください。
何から始めたらいいのか、プログラミング学習の始め方がわからなかった初心者の方も、学習のイメージができたのではないでしょうか。準備段階でつまずきそうなときは、IT企業へ就職したい、自分の好きなものを作りたいなど、目的を忘れずプログラミング学習へ進んでみてください。独学で学習を継続するのが難しくなった場合は、プログラミングスクールを受講してサポートしてもらうことも検討しましょう。
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