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SIerとは?業界未経験でもわかる就職までに知っておきたい知識を解説

2021年10月6日

2021年11月11日

SIerとは

SIerとは「システムを開発する企業」という意味です。SEと似ているのでよく間違えられやすい言葉ですが、SIerとSEは別物です。SIerの意味とともにSEとの違いについても解説します。

SIerの意味

SIerとは、System Integration(システム開発を請け負う事業またはサービス)の頭文字にer(~する人)をくっつけた「システム開発を請け負う企業」という意味の和製英語です。読み方はエスアイアーもしくはエスアイヤーと読みます。

SIerは、システム開発のための要件定義・設計・構築・運用・保守の一連の流れを、一部もしくは全て請け負う企業です。たとえば、一般企業が業務に使うシステムをオリジナルで開発したいと考えても、自社で開発するノウハウはないため、外部に発注することになります。この外部企業に当たるのがSIerです。私たちの身近なサービスの多くがSIerによって生み出されています。一般企業から官公庁・銀行・交通といったものまで、業界・分野問わず幅広い取引先を持つのが特徴です。

SEとの違い

SIerはシステムを開発する「企業」ですが、SEはシステム開発に携わる「職業」の一種を指します。SEはSystem Engineerの略で、エスイーと読みます。主に要件定義や基本設計・詳細設計、テストといたマネジメント中心の工程を担当し、クライアントと社内エンジニア(プログラマーなど)の仲介を担うような立ち位置の職業です。

SIer以外の企業でも、自社のIT課題に取り組む一般企業やコンサル企業など、さまざまな企業でSEは活躍しています。SEを企業として捉えてしまうと、SIerとの関係を考える際に混乱してしまうので、両者の違いを正しく理解しておきましょう。

受託開発・自社開発・SESの違い

SIerが行うビジネスモデルは、基本的に受託開発です。システム開発には、他にも自社開発やSESといったビジネスモデルがありますので、違いを理解しておきましょう。同じシステム開発という仕事でも、入社する企業のビジネスモデルによって、エンジニアの働き方は変わってくるでしょう。では、それぞれどのような違いがあるのかを解説していきます。

受託開発とは

受託開発とは、クライアント企業のシステム開発を請け負って納品するビジネスモデルです(請負契約)。契約の種類は、システム開発を依頼したクライアントから直に案件を請け負う(元請け)か、元請けから下請けとして案件を請けるかの2つに分かれます。

エンジニア視点で見ると、クライアント企業からの納期を守ってシステムを完成させる義務を負っているため、スケジュール管理が重要な働き方になります。また、多くの案件に対応するため、幅広い技術に携わる機会が多いです。企業の規模にもよりますが、元請けの企業ではプロジェクト管理といったマネジメント中心で活躍する人が多く、下請けの企業ではプログラミング技術を活かした開発実務で活躍する人が多くなるでしょう。

自社開発とは

自社開発とは、対ユーザーや対企業に向けて、自社のシステムを開発して販売するビジネスモデルです。自社のシステムで多くのユーザーを獲得できるかどうかで業績が左右されます。

受託開発と違ってクライアントからの納期に追われることはありませんが、自社サービスのリリース日といった期限に合わせてプロジェクトを進めていきます。また、幅広い案件に対応する技術というよりは、自社に必要な技術を深めていくようになります。

SESとは

SESとは、客先常駐して労働力を提供する契約形態です。他社のシステム開発に協力するビジネスモデルといったイメージでしょうか。SESを行う企業はSES企業と呼ばれます。

SESで働くエンジニアは、クライアント企業のオフィスで勤務(客先常駐)します。自社のメンバーと顔を合わせる機会は少なくなりますが、様々な現場を経験することで、幅広い知識を得られる働き方になるでしょう。

SIerの種類

SIerには、元請けや下請けが存在します。また、受託開発100%の企業もあれば、自社開発やSESをあわせて行うような企業もあります。自分が気になるSIerがどのようなビジネスモデルを行っているのか見分けられるようになると、入社後のミスマッチを防げるようになるでしょう。

SIerは、企業の成り立ちによって、次の5種類に分けられる傾向があります。SIerのビジネスモデルを見分ける参考にしてみてください。

種類成り立ち主なビジネスモデル代表企業
独立系特定の親会社を持たないSIer他社のシステム開発を行う大塚商会や日本ユニシス、多くの中小企業など
ユーザー系一般企業の情報システム部門が独立してできたSIer親会社または他社のシステム開発を行うNTTデータや新日鉄ソリューションズなど
メーカー系コンピュータメーカーから独立してできたSIer親会社または他社のシステム開発を行う日立製作所やNECなど
コンサル系企画提案や要件定義といったコンサルティング業務中心のSIer他社のシステム開発の上流工程を担う野村総合研究所やアクセンチュアなど
外資系海外を主軸に事業展開を行うSIer海外企業のシステム開発を行うMicrosoftなど

どの分野の業界でも、自社でシステム開発のリソースを持たず、SIerに外部委託する企業は少なくありません。気になる企業がどの系統かを知っておくことで、「なぜ、他社ではなく自社を志望したのか」といった質問の対策ができ、就活で役に立つはずです。

SIerはやめとけ?その理由は

SIerの種類とエンジニアの働き方を解説したところで、「SIerはやめとけ」といったSIerのネガティブな意見について触れたいと思います。SIerが厳しいと言われる理由を理解し、エンジニアの将来設計について考えてみましょう。

多重下請け構造になりがち

IT業界では、ピラミッド型のような多重下請け構造が問題になっています。その背景には、業界のIT人材不足があります。

たとえば、銀行のシステムを作るとなると、セキュリティが高く、バグのない大規模なシステムを作らなければなりません。厳格なチェック体制を整えるために、たくさんの資金と人手が必要になり、関わる人物が多いほど大掛かりなプロジェクトになることが予想されます。資金力のある大手SIerが発注者から直接発注を受けたとしても、自社だけで人手を賄うのは難しいでしょう。そこで、自社はプロジェクトの上流工程を担い、以降の工程は中堅SIerに発注します。しかし、中堅SIerも人手が足りないため、下流工程は零細SIerやSESに発注することに。このように、いくつも発注を重ねる構造を多重下請け構造と呼びます。

下請けになるほど薄利になるので、給料の低さを退職理由の1つに挙げる人もいます。

しかし、システム開発の実作業部分で技術を磨いていきたい未経験者にとっては、元請けSIerへの就職は難易度が高すぎるため、IT業界挑戦への最初の一歩として、下請けSIerへの就職が有力な選択肢となります。また、下請け中心の会社でも、エンジニアに長く働いてもらうため、労働環境の充実に力を入れている優良企業も多くあります。就活の企業研究の際は、年収や残業代、企業の教育制度などをしっかりとチェックしましょう。

年功序列制度の企業もある

技術者であるエンジニアは実力主義が掲げられますが、ベンチャー企業ではない社歴の長いSIerには、年功序列制度の企業もあります

年功序列制度の企業に入社した場合、年収は20代の頃が最も低く、30代・40代・50代・60代になるにつれてだんだんと上がっていくことが多いようです。将来のキャリアは想像しやすいものの、仕事でいい成績を出しても給料に反映されないのであれば、次第にモチベーションが上がらなくなるかもしれません。

そのため、若い頃から年収を上げたい場合は、経験を積むと割り切って3年ほど在職し、別の企業へ転職するという道もあります。IT業界は転職がしやすい業界でもありますので、自身の技術力に見合った給料ではないと感じるのであれば、より年収の高いキャリアを目指すこともできます。

将来性が不安視されやすい

IT業界では技術革新が激しく、いずれSIerの仕事は新技術に取って代わられるという意見も出ています。たとえば、システム開発から運用保守まで、クラウドプラットフォームで管理できる技術の研究が進んでいます。これは、プログラミング初心者でも少ないプログラミングコードでシステムを開発し、WEBに繋がりさえすればどんな環境でも運用保守ができるようになる技術です。専門的な技術者集団に頼まなくてもシステム開発ができるようになると、クライアントにとってはSIerに頼るコストを大幅にカットできるため、「SIerの仕事は無くなるんじゃないか」と将来を不安に思う声もあります。

しかし、SIerの仕事が全くなくなるとは考えにくいでしょう。銀行や官公庁といった大型案件や、企業の細かな要望を叶えるシステムを開発したい場合、画一的なプログラムでは対応できないため、SIerの存在はまだまだ必要です。

SIerですが、5年前に比べても確実に仕事は増えています。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2020年のソフトウェア開発・プログラム作成分野のうちSIの売上高は4兆9,435億円と、5年前に比べ114%増となっています。新技術によってSIerの仕事は無くなるという声もありますが、まだまだ発展途上な点も多く、SIerの仕事は今後も必要とされるでしょう。

参考:特定サービス産業動態統計調査

SIerで働く魅力

SIerにはネガティブな意見も少なくありませんが、一方でポジティブな面もたくさんあります。ここでは、SIerで働く魅力について解説します。

未経験者歓迎求人が比較的多い

SIerの求人では、未経験者歓迎をアピールする企業が比較的多いです。実務経験者の採用だけでは人手が足りず、未経験者を育成前提で採用しています。ただ、未経験者歓迎とは言え、学習意欲や熱意のない応募者だと、採用を見送られる場合もあります。日頃からITの基礎知識を勉強したり、コミュニケーション能力の向上に努めたりするなど、面接ではポテンシャルの高さをアピールすることが大切です。

未経験からIT業界を目指すなら

未経験からITエンジニアを目指すには、まずプログラミングの基本スキルを身につける必要があります。独学で学習することもできますが、短期間で効率的に学びたいのであれば、専門のカリキュラムが用意されているプログラミングスクールがおすすめです。就職支援まで一貫して行ってくれる就職支援付きプログラミングスクールであれば、学習と就活を並行してすすめることもできます。

たとえば、就活直結型プログラミングスクール『学舎さくら』では、10代~20代のパソコンをお持ちの方なら、オンラインかつ無料で受講可能です。就職支援では、専属のキャリアサポートが面接対策などを実施しながら、高知県と首都圏の企業を紹介しています。

 

出典:学舎さくら

幅広いスキルが身に付く

受託開発を請け負うSIerの場合、様々な案件に触れられるため、スキルを幅広く身に付けられるでしょう。ひとくちにITスキルと言っても、開発するシステムによって必要となる技術は変わってきます。案件が変わるたびに、求められる知識が変わってくるのは大変かもしれませんが、ITエンジニアとして働く以上、自己学習と技術の研鑽は必ずついて回るものです。経験を積んでキャリアアップしたいと考える方にも、向いている働き方だと言えるでしょう。

働きやすい職場の特徴

SIerに就職する際、企業によっては居心地の悪い環境のところもあるでしょう。優良企業の特長のひとつは、社員に長く働いてもらいと考え制度を整えている企業です。では、求人票でどのようなポイントを見ればよいのか解説します。

自社のエンジニア育成に積極的

メンター制度や研修など、自社のエンジニア育成に積極的な企業は、企業全体でエンジニアをバックアップする体制にあると言えるでしょう。エンジニアの技術習得によって案件の幅を広げ、長く自社で貢献してもらいたいという企業の姿勢が見て取れます。未経験者にとっては、基礎知識を身に付けたあとにどうスキルを積んでいくかが重要になるので、組織全体でスキル向上を目指している企業はとても心強い存在となるでしょう。

福利厚生がしっかりしている

福利厚生とは、月々にもらえる給与以外の報酬や社員のための制度全般のことを指します。特に法律で定められている制度ではありませんので、住宅手当や介護手当、特別休暇や財形貯蓄など、福利厚生は企業によって様々です。他社の求人と差別化が図れる部分でもありますので、優秀な人材を確保するために、求人票でアピールされやすい部分でもあります。社員にとって働きやすい職場作りを目指している企業なのかの指標になります。

エンジニア経験者が多い

IT業界は慢性的な人手不足なので、企業にとって経験者の採用ハードルは高くなっています。それにも関わらず、30代~40代のエンジニアが多く在籍している企業は、魅力的な企業だと言えます。また、離職率が低い指標にもなるでしょう。

まとめ

SIerとは、システムを開発する企業という意味の和製英語です。似ている言葉にSEがありますが、SEはシステムを開発する職業の一種なので、違いを整理しておく必要があります。SIerには5種類あり、それぞれで取引先の特徴が異なるので、企業研究する際はどの種類なのかを理解しておきましょう。また、SIerには多重下請け構造といった問題もあります。その一方で、未経験者歓迎求人が比較的多かったり、幅広いスキルが身に付くなど、SIerには魅力も感じられます。就活で最も大事なのは、企業選びです。ホワイト企業は働く環境がしっかりしている、自社のエンジニア育成に積極的といった特長がありますので、それらをしっかりと押さえながら、自分の働き方に合った企業を選びましょう。

WRITER -この記事を書いた人-

学舎さくら編集部

未経験からプログラマーを目指せる就職支援付きプログラミングスクール。プログラミングの基礎知識や、IT業界への転職に向けた情報など、未来のITエンジニアに役立つ情報を発信しています。

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