2021年3月24日
|2022年7月4日
この記事の目次
プログラミング = 理系の仕事というイメージをもっている文系の方は、IT企業に就職しても自分は活躍できないのではないか、と不安に思っていませんか。
結論としては、世間のイメージとは違い、文系出身者も多く活躍しています。
まずは、実際にIT企業に就いている理系・文系出身者の割合と、企業側が新卒採用する際に出身学部にこだわっているのかを、データから確認してみましょう。
文部科学省が令和2年度に実施した学校基本調査によれば、大学卒業後に「情報処理・通信技術者」の職に就いた学生のうち、文系出身者(人文科学・社会科学)は全体の約45%。新卒IT人材の4割が文系出身という結果であり、文系出身者でもプログラマーとして活躍していることが分かります。
参考:文部科学省『学校基本調査 / 令和2年度 高等教育機関《報告書掲載集計》 卒業後の状況調査 大学』
プログラミングは理系の方が向いていると思っていた方にとっては、意外な結果だったのではないでしょうか。
IT企業への新卒就職において、出身学部が理系か文系かは、あまり関係ないのが現状のようです。次に、採用側の企業にアンケート調査したデータを見てみましょう。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)が毎年公開している『IT人材白書2018』によると、新卒IT人材を採用する上で、半数以上の企業が専攻は「こだわらない」と回答しています。また、この結果はいずれの従業員規模でも、最も高い割合です。
プログラミング = 理系の仕事というのはあくまでイメージで、企業側は理系・文系にこだわらず採用しています。つまり、文系出身だからという理由で不採用になる可能性は低いと考えられるでしょう。
では、企業側が出身学部にこだわっていないのはなぜでしょうか。
プログラマーは、コンピュータへ明確な指示をだし、プログラムを構築させます。その技術は幅広く、様々な案件に対処するには、実務の中でIT技術を学び続けることになります。また、思わぬエラーが発生した際には、素早く原因を探し問題を解決する、知識だけに頼らない対処が必要です。そのため、入社後にどれだけ会社で必要な実務を習得できるか、という適性が重要視されるのです。
一般的に、IT企業ではどのような適性が必要だといわれているでしょうか。次の解説をもとに、自分の適性を考える参考にしてください。
論理的思考力とは、ロジカルシンキングとも呼ばれていて「物事を体系的に整理して、筋道を立てて考える力」のことを言います。
プログラミングでは、コンピュータへ細かい指示をだしてプログラムを構築するため、処理の順番や、効率的な組み立てが必要になります。また、プログラムに発生するトラブルの原因特定や問題解決など、最適化を繰り返す必要があるため、プログラミングにおいて論理的思考は欠かせないスキルです。
プログラミングは基本的な仕組みや書き方はあるものの、自分の知識だけでシステムを組もうとしてもうまく起動せず、エラーが発生してしまうことがあります。そこで必要になるのが「調べる力」「学習力」です。
エラーの原因を調べて対処する作業は、プログラミングに携わっていれば常に発生します。また、IT技術は早いスピードで進歩しています。幅広い案件に対応するには、学習し続けることが必要です。
主体性をもって調べ、学習したことを応用していく探求心が、プログラマーには求められます。
プログラミングでは自分が意図していない、様々な問題が起こります。プログラムが完成するまで徹底的に問題と向き合う必要があるため、忍耐力が求められます。バグの修正やテスト作業など、何度も繰り返す単調作業も多く、根気強く取り組み続ける力が必要です。
また、プログラムの構築は一人で作業することが多くなります。孤独な時間が続くため、一人の作業をつらいと感じない性格の人が向いています。
プログラムの構築作業は一人で黙々とすることが多いですが、プロジェクトはチームで完成させるため、仕事をするうえでのコミュニケーションは欠かせません。
わからない部分を曖昧にせず、明確になるまで質問する、問題が起こったらメンバーに相談するなど、周囲と連携することが重要です。
また、未経験者であればどこがエラーを起こしているのか分からないなど、つまずくことも多いでしょう。分からないことを放置せず、まわりとコミュニケーションをとりながら取り組むことが大切です。
プログラミングは、適性があれば文系でも十分活躍できる仕事です。
では、なぜプログラミング = 理系の仕事というイメージが世間にはあるのでしょうか。
文系はプログラミングに向いていないとイメージだけで判断している方は、そのイメージが生まれた理由を理解して不安解消につなげましょう。
プログラミングのイメージとして、良く想像される4つのワードについて、詳しく解説していきます。
日本標準職業分類では、プログラマーは情報処理・通信技術者の中に属しています。つまりプログラマーは、ソフトフェアを作成する技術者としての仕事です。
技術職 = 理系というイメージを持つ方も多くいるでしょう。しかし、IT企業が出身学部にこだわらず採用する場合、採用段階ではプログラミングに関する専門的な技術の有無は、関係がないといえます。
仮に、技術をもった理系の同期が入社してきても、働きながら学ぶ期間は大学の4年間よりもずっと長くなります。最初は差がついたとしても、学習し続ければその差はあまり気にすることではないのです。
理系や文系という固定概念にとらわれず、様々な人とコミュニケーションをとりながら自分の能力を伸ばしていきましょう。
参考:『政府統計の総合窓口(e-Stat)日本標準職業分類(平成21[2009]年12月統計基準設定)』
プログラミングを専攻分野として学ぶのは、理系の情報系学科です。しかし、情報系学科ではプログラミング技術を重点的に学べているわけではありません。なぜなら、大学の情報系学科は、コンピュータの基礎知識や理論など、学問や研究をする場所だからです。実務的なプログラミング技術のスタートは就職後というケースは多くあります。情報系学科を専攻していないからといって引け目を感じる必要はないでしょう。
ただし、理系学科を卒業していなければ就職が難しい仕事も少なくありません。たとえば、メーカーなどプログラミングとあわせて専門分野が必要な企業や、プログラミングの理論など下地が必要な研究所は、理系の推薦枠からの就職が多くなります。
プログラミングには、定数や変数などの用語がでてきますが、基本的に用いる計算は、四則演算(足し算・引き算・掛け算・割り算)です。プログラミングは、定められた言語を用いてコンピュータへ指示を出すため、プログラマーに必要なのは数学の知識よりも、指示を論理的に伝える力が必要となってきます。
数学が得意な人は、論理的思考に慣れ計算が早いなど有利な点もありますが、プログラミング未経験者の実務において、高度な数学の知識は必須ではありません。必要になれば都度学習する程度で大丈夫でしょう。
ただし、ゲーム開発・AI(人工知能)・機械学習・統計処理などの分野においては、高度な数学の知識が必要です。
特定の分野を除けば、プログラミングでは初歩的な数学の知識で十分です。苦手意識をもたず取り組んでみましょう。
人それぞれの思考パターンとして、理系脳と文系脳という分け方があります。
一般的に、理系脳の特徴として論理的思考が挙げられることが多いでしょう。プログラミングの適性には、論理的思考力が必要なため、理系脳の方がプログラミングに向いていると考えられています。しかし、理系脳を持った文系出身者もいますし、文系脳だからといって論理的思考ができないわけでもありません。
また、プログラミングの適性に必要なコミュニケーション能力は、文系脳が得意とされている特徴です。論理的思考 = 理系脳というイメージが強く、理系脳の方がプログラミングの適性が高いと思われがちですが、文系脳でもプログラマーにはなることはできます。理系脳か文系脳かにとらわれず、常に学習し続けることの方が大切でしょう。
プログラミングは、理系か文系かの出身学部は重要ではありません。
文系出身でも活躍している人たちが沢山いることは、これから就職活動をするうえで、前向きに考えられる情報だったのではないでしょうか。
プログラマーとして大事なのは、適性と学習し続ける姿勢です。
目的を達成するために、論理的に筋道を立てて実行していく、問題が起きても向きあって対処する、分からないことは調べるなどといった適性は、出身学部では一概に判断できないものです。また、実戦的なプログラミング技術は、文理問わず就職後に培っていく部分がほとんどであり、入社時点での差はあまり不安に思う必要はありません。
文系でもIT企業へ就職することは十分可能なので、出身学部にとらわれず、自信をもって就職活動へ取り組んでください。
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