2023年3月9日
|2023年5月16日
「高知県にUターンしたいけど、仕事ってあるのかな?」「高知県にUターンしたいけど、どうすればいいのかな?」
高知県へUターンを考えているけど、県外にいると高知県の就職情報や生活事情が今一つわかりづらく困っていませんか。Uターンする場合、仕事はあるのか、どの程度の年収が必要なのか、暮らしぶりはどうか、などなど気になるところも多いでしょう。高知県の「今」を知ってもらうために、就職・転職事情、高知県へUターンするメリットや注意点などを解説し、移住する前にできることなどと併せてご紹介します。
この記事の目次
高知と言えば、海・山・川など自然豊かな県です。南を望めば太平洋が広がっており、面積の約84%は森林が占め、1級河川は4つ流れています。とにかく、ウィンタースポーツを除けばアウトドア趣味には事欠かない県です。
「かつおのたたき」を代表とした魚がおいしい県のイメージが強いかもしれませんが、ブランド肉や野菜も数多く、外食に行かずともスーパーで普通に買う食材がおいしい、といった食の魅力も満載な県といえます。
また、2023年前期の朝の連続ドラマ小説「らんまん」のモデルとなっている植物学者・牧野富太郎は高知県の出身であり、観光の盛り上がりも一層期待できるでしょう。
ただ、高知県へUターンするとなると、知りたい情報は就職事情や生活事情ですよね。この記事では、高知で生計を立てるために必要な情報をいくつかご紹介します。
高知県にUターンしたいと考えたときに、最初に心配なのが「自分に合った仕事があるかどうか」ではないでしょうか。まずは、高知県の求人動向や求人が多い職種をデータから見てみましょう。
求人の数が多いかは、全国のハローワークの求職・求人情報をまとめ、厚生労働省が毎月発表している「有効求人倍率」で見ることができます。
「有効求人倍率」とは、求職者1人につき、求人が何件あるかを示す数値のことです。たとえば、求職者が50人に対し、求人が100件あれば、有効求人倍率は100÷50=2.0倍となり、求職者1人につき2件の求人があることを示しています。
それでは、高知県の有効求人倍率はどうなのか、正社員の求人に絞ったデータを見てみましょう。
引用:高知県の雇用失業情勢(令和4年 12 月分) 厚生労働省
高知県の令和4年12月の正社員有効求人倍率は0.93倍で、求人数よりも求職者の方が多い状況です。全国平均の1.11倍と比べても低い数値であり、全国で40位となっています。あくまで有効求人倍率は、ハローワークに登録されている求職者と求人数の比較ですが、他県に比べると仕事は見つけにくいと言えるかもしれません。
ただし、有効求人倍率が「1」に届いていないだけで、求人はしっかりとあります。「他県より求人を探す労力がかかるかも」という心構えで、積極的な就職活動を行っていきましょう。
就職先を見つけるのに苦戦する場合は、民間企業が運営する求人サイトや転職エージェント、県のUターン支援事業など、複数の求職手段を利用するといった方法を検討してみてください。
次に、自分の希望に合った求人が見つけやすいかを知るために、高知県内にはどのような職種の求人が多いのかを見てみましょう。
高知県の産業別新規求人の令和4年12月のデータを見ると、最も求人数が多いのが「医療・福祉」、続いて「卸売業・小売業」、「サービス業」の順となっています。
参考:高知県の雇用失業情勢(令和4年 12 月分) 厚生労働省
求人数より視野を広げて、高知県のどの産業に従業者が多いかというデータを見てみると、「卸売業・小売業」「医療・福祉」「製造業」「宿泊業・飲食サービス業」「建設業」の割合が高くなっています。全国と比べると、農林漁業に従事している人の割合が高いことも特徴です。
業界を限定せずに営業や事務・接客などでの就職を目指している方、医療や介護・建設の分野で専門性を発揮できる方、第一次産業に興味がある方などは、Uターンにおいても仕事を見つけやすいと言えるかもしれません。
引用:令和3年経済センサス-活動調査(速報)-高知県分(結果の概要)-高知県産業振興推進部統計分析課
内閣府が発表した「令和4年版高齢社会白書」によると、高知県の高齢化率は、秋田県に次いで全国で2番目に高く35.9%でした。高知県の推計人口年報で見ると、65歳以上の高齢者は増える一方、15歳未満や15~64歳の人口は年々減少しています。
一見ネガティブな情報に映るかもしれませんが、捉え方によっては若手の労働力を非常に求めている県とも言えます。UターンやIターン者を増やすことは、労働力を増加させ高知県の経済基盤を支える一手となるため、高知県も積極的に支援事業を行っています。
高知U・Iターンサポートメディア「高知家で暮らす」では、7,000件を超える求人情報を始め、後継者を探している事業や空き家情報、全国トップクラスで受け入れが多い地域おこし協力隊の情報などを発信しています。ぜひ一度ご覧になってください。
高知県の就職・転職における動向を見てきましたが、ここからは全体の動向ではなく、どのような企業があるかに落とし込んで、もっと就職活動のイメージを具体的にしていきましょう。
高知県には、上場企業が7社あり、そのうち4社が製造業です。高知県では製造業の割合が少ないというデータもありますが、それはあくまで傾向であり、高知県にも地場の優良な製造会社があることが見てとれます。
<高知県の上場企業一覧>
高知県産業振興推進部統計分析課が発表したデータによると、高知県内の企業のうち99.9%は従業員が300人以下の中小企業です。
引用:令和3年経済センサス-活動調査(速報)-高知県分(結果の概要)-高知県産業振興推進部統計分析課
中小企業の中には優良企業がたくさんありますが、卸売業や製造業などは一般消費者の目に留まる機会が少なく、知名度を上げづらいため採用活動にも苦労しています。
これらの中小企業をUターン就職の選択肢に入れることができれば、就職活動の幅が大きく広がりますので、中小企業から優良企業を探し出す方法はぜひ知っておきましょう。
そこで有効となるのが、さまざまな認定制度を受けている企業を探すことです。健康に働ける環境を作っている、先進的な取り組みをしているなど、売り上げ努力以外でも企業努力をしている優良企業を知ることができます。また、認定制度を活用している会社は、採用活動でのPRも目的にしているため、求人が比較的でやすい会社かもしれません。
認定制度のサイトでは、認定会社を一覧で公表していますので、簡単に調べやすいというのもメリットの一つです。
ここでは、3つご紹介しましょう。
SDGs(エスディージーズ)はSustainable Development Goalsの略で、「持続可能な開発目標」です。地球規模でのさまざまな課題が、2030年までに達成すべき具体的な目標として掲げられています。環境問題だけが認識されがちですが、目標の中には「働きがいも経済成長も」「すべての人に健康と福祉を」といった企業の経営の在り方に直結するものもあります。
高知県でも、県内事業者によるSDGsの達成に向けた取り組みを推進しており、令和3年度に「こうちSDGs推進企業登録制度」が創設されました。どのような取り組みをしているかまで、細かく公開されていますので、企業を知る良い材料となります。
地域未来牽引企業とは、経済産業省により選定された、地域経済の中心的な担い手となりうる事業者のことを言います。申請して認定された企業ではなく、経済産業省により選定された企業というのがポイントです。
2017年から2020年までの間、全国で4,743社が選定されており、うち92%を中小企業が占めています。ちなみに2020年時点で、高知県は66社が選定されています。企業一覧には事業内容の紹介を掲載している企業もありますので、参考にしてみてください。
高知県は、最大クラスの「南海トラフ巨大地震」のリスクが高い県です。そのため、県が総力を挙げて地震・津波対策に取り組んでおり、地震などの自然災害やシステム障害、不祥事など緊急事態に陥っても、損害を最小限に抑えて事業を継続できるよう常日頃から備えておくためのBCP(事業継続計画)策定率は全国1位(2021年)という実績があります。
引用:株式会社帝国データバンク「事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2021年)」
それらBCPを策定している企業の中でも、事業継続・社員教育・地域貢献の3つの視点から評価されるのが「高知県南海トラフ地震対策優良取組事業所認定」です。土木インフラや生活インフラを支える会社、病院や福祉・介護施設の認定が多いですが、社員のことを考え地域貢献にも寄与している企業を知ることができます。
製造業と同じく、高知県では割合の少ない情報通信業ですが、IT企業は存在します。というよりも、高知県は、人材確保と経済活性化のために「地域活性化雇用創造プロジェクト」に取り組んでおり、そのプロジェクトの一環で「IT・コンテンツ関連産業」のサポートや誘致を積極的に行っています。県外から高知県へ立地を決めた場合、さまざまな補助金支援制度が利用でき、実際に高知県に拠点を構えるIT企業も増えてきています。
高知県IT・コンテンツ企業進出サポートのサイトでは、実際に高知に進出したIT企業へのインタビューなどが掲載されていますので、高知県にどのようなIT企業があるかを調べる参考にしてみましょう。
引用:高知求人ネット
高知県の中小企業を探すときにおすすめしたいサイトが、高知県移住促進・人材確保センターが運営する「高知求人ネット」です。高知U・Iターンサポートメディア「高知家で暮らす」とも連携している高知県内企業の求人情報を取りまとめたサイトですが、7,000件以上の求人情報が掲載されています。企業にとっては、無料で求人情報を掲載でき、マッチング支援まで受けられる媒体であるため、多くの高知県内の企業が活用しています。
Uターン希望者にとっても、無料でマッチング支援を受けられる心強いサービスです。大手リクルート会社の求人サイトでは出会いない企業にも出会うことができます。
次に、就職が決まった後の高知県での生活について見ていきましょう。みなさんは、そもそもなぜUターンしたいと思ったのでしょうか?人混みや人間関係に疲れた人もいれば、プライベートや家族との時間を大切にしたくてワークライフバランスを求める人もいるでしょう。
人それぞれ理由は異なると思いますが、高知県には都会にはない魅力や、高知県に魅力を感じてくれた人を後押しする支援や補助の制度があります。
高知県は、決して賃金水準が高い県ではありません。厚生労働省が発表した2022年度地域別最低賃金改定状況では、最も高い東京都の1,073円に対し、高知県は853円と全国最下位水準でした。Uターンすることで、収入が減ってしまう方は当然いるでしょう。
収入が下がると生活ができるか不安という方は、高知県で暮らすのにどれくらいの収入が必要で、どれくらいの生活費が出ていくのかを具体的な数字をもって知っておきましょう。
総務省が調査した2019年全国家計構造調査から、二人以上の世帯で、勤労者世帯を対象とした家計収支を見てみます。
この数字は二人以上の世帯での家計ですので、独身や配偶者が働いていない家庭、子供がいなくて教育資金が不要といった条件次第で、見方は変わってきます。あくまで、高知県で暮らすための参考値としてお考え下さい。ちなみに、東京都は実収入599,538円/実支出が425,156円となっています。
それでも不安であれば、無理のない範囲で地方ならではの節約に挑戦してみるのも面白いかもしれません。食費であれば「良心市」や「日曜市」といった農家直結の生活市をうまく活用して抑えることができますし、休日にお金を使わずに過ごすアウトドアスポットもたくさんあります。実家にUターンするのであれば、住居費もかかりません。収入が下がるから「Uターンできない」ではなく、どれくらいまでなら許容できるかを考えてみましょう。
高知県では、都会のように日常生活で人混みに疲れるということはありません。人の流れに合わせて歩くということもなければ、分刻みで動く公共交通機関もありませんので、都会の生活スタイルとは、時間の流れが違っています。
また、基本的に車社会であり、仕事が終わってから満員電車に乗る気疲れもありませんし、買い物袋をもって徒歩移動することも都会ほどはないです。公共交通機関が発達していないことを不便と捉える人もいますが、自家用車があれば生活に支障をきたすことはありません。むしろ、電車移動がないぶん、自分の時間が多く確保でき、ワークライフバランスは充実させやすいでしょう。
高知県に限った話ではありませんが、Uターンのメリットには、人間関係でストレスを軽減しやすいことが挙げられます。家族や古くからの友人といったように、仕事以外のことを気楽に話せて遊べる人は、都会よりも作りやすい環境にあるでしょう。また、そういった人間関係は、子育てなどでも安心して頼れる存在となってくれます。
高知県へUターンする際には、条件を満たせばさまざまな補助金や支援金が受給できます。ここでは、県外から移住することが条件となる補助金・支援金を3つご紹介します。詳細な条件は、各サイトをご参照ください。
高知市地方創生移住支援金 | 単身の場合60万円 2人以上の世帯の場合100万円 他 |
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高知市三世帯同居等Uターン支援事業費補助金 | 引越しや定住に関する費用上限15万円 |
高知市二段階移住支援事業費補助金 | お試し移住費用上限20万円 他 |
参考:高知家で暮らす 高知UIターンサポートメディア Uターンをお考えの方へ
移住以外にも起業などでもらえる補助金があったり、そもそも補助金の内容自体が市町村や年度によって変わったりもするため、「どう調べていいかわからない!」というときは、高知県の移住について相談にのってくれるコンシェルジュを頼りましょう。補助金に限らず、さまざまな相談にのってもらえるので、Uターン希望者にとっては心強い存在です。
次に、高知県にUターンする注意点をいくつかご紹介します。
高知市内の電車通りといった一部の地域であれば、通勤に自家用車がなくても問題ありませんが、休日などの過ごし方を考えると、自家用車はほぼ必須です。ご夫婦共働きの家庭では、世帯で2台所有するケースも少なくありません。移住前に自家用車を持っていないのであれば、購入を検討しなければならないでしょう。
駐車場代は都会で想定するほどの費用は掛かりませんが、ガソリン代は全国トップレベルで高いです。ガソリンレギュラー176.6円(2023/2/24時点)で、全国のガソリン平均価格162.8円よりも13.8円高く、全国1位となっています。自家用車を考える際は、車両購入費だけでなく、維持費についても考えるようにしましょう。
高知県で求人が多い職種などについて説明してきましたが、高知市近郊以外の東部や西部、山間部といった郡部では、また事情が異なってきます。事業所の数が少ない市町村に行くほど、「製造業」「卸売業・小売業」といった分野の求人を探すハードルが高まっていくでしょう。「どうしてもこの仕事に就きたい」という希望がある場合は、早めにUターンする地域のハローワークに問い合わせるか、求人情報などをチェックするよう心がけておくとよいですね。
引用:令和3年経済センサス-活動調査(速報)-高知県分(結果の概要)-高知県産業振興推進部統計分析課
いま高知県が提案しているのが、いきなり郡部へ移住するのではなく、いったん高知市へお試し移住する「二段階移住」です。高知県にUターンするなら思い切って自然の多い郡部にしようかな、田舎ならではの仕事をしてみたいという方などは検討してみましょう。
「二段階移住」とは、まず比較的利便性の良い高知市に移住し、滞在します。高知市に住んでいる間に他の地域などを訪問し、自分に合った土地が見つかったら最終的な移住先を決める、というしくみです。思い描いていた地方移住の理想と現実のギャップをなくすことを目的とした取り組みとなります。
高知市が作成したおよそ4分間の動画「#田舎暮らしは甘くない」は、ぐろ~かるCM研究所が主催する「ぐろ~かるCM大賞2020」のPR動画部門で大賞に選ばれました。Uターンでの田舎暮らしを考えている人に一度は見てもらいたい動画です。
引用:#田舎暮らしは甘くない
高知県にUターンしてIT企業への就職・転職を考えられている方には、高知県に拠点を構える就職直結型プログラミングスクール「学舎さくら」がおすすめです。
ここでは、高知県の就職直結型プログラミングスクール「学舎さくら」を知っていただくために、おすすめポイントを4つご紹介します。
高知県に拠点を置きながらも完全オンライン型なので、パソコン1台と通信環境さえあれば全国どこからでも受講できます。そのため、高知県へUターンをお考えの方でも現在お住いの県から受講することができます。
受講料が完全無料なのは、就職紹介先企業様からの紹介料で運営しているためです。その他、入学金、途中で万が一辞めたときでも違約金なども不要、テキスト代も完全オンラインによる授業のため一切かかりません。
運営会社が地元高知の企業だからこそ紹介できる高知の求人もあります。あなた専属のキャリアアドバイザーがつきますので、一緒に希望にそった企業を探していくことが可能です。また、履歴書など書類作成の添削や模擬面接など、就職する際に必要なノウハウも伝授します。
Webによる説明会は随時行っていますので、少しでも気になった方は学舎さくらのサイト内にある説明会参加のフォームから気軽にお申込ください。
自然豊かな高知県は、都会とは違う生活を考えるUターン希望者にとっては、魅力の多い県です。有効求人倍率は高くはありませんが、若手人材を求めている企業も多く、高知県のUターン支援も手厚いため、しっかりと就職・転職活動を行うことで仕事を見つけることができます。
年収が下がる懸念はありますが、高知県での暮らし方を考え、ワークライフバランスが取れた生活を目指してみましょう。また、移住するまでの間にITスキルを身につけて就職・転職したいという方は、「学舎さくら」をぜひ検討してみてください。
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