2021年7月28日
|2022年7月4日
この記事の目次
インフラエンジニアを目指すにあたって「10年後も続けられる仕事なのか」といった将来性は気になりますよね。結論から言うと、インフラエンジニアの将来性は高いといえます。ではなぜ将来性は高いと言えるのか、まずはその理由を解説します。
企業のデジタル化が急速に進み、IT人材はますます足りなくなると言われています。経済産業省が出したIT人材の試算結果によると、2030年にはIT人材数が最大で約75万人も不足する予測になっています。(参考:IT人材供給に関する調査)
コロナ禍の影響により、業務にデータとデジタル技術を活用するDX化の動きは加速しており、リモートワークやオンライン会議など、ITを活用した新しい働き方を検討する企業が増えています。新技術を活用した新たなビジネスモデルやサービスを提供し、市場の変化に柔軟に対応していくためには、それを支える技術者の確保が必要です。IT業界も技術者の育成に力を入れていますが、需要に対して供給が追い付いておらず、10年後も人材不足が続く見込みです。従って、インフラエンジニアも含めたIT系の職業は、今後も職に困ることは少ないでしょう。
インフラエンジニアは、ネットワークやサーバといったITサービスの基盤を設計・構築し、運用・保守する仕事です。そのため、ITサービスに支えられている私たちの生活に無くてはならない存在になっています。たとえば、Webアプリを利用できるのは、アプリを公開するサーバをインフラエンジニアが管理しているからです。インフラエンジニアがいなければ、そもそもアプリの運用が成り立たなくなってしまいます。
身近な暮らしに目を向けると、携帯電話や車、家電など、あらゆるモノがネットにつながる(IoT)時代が到来しつつあります。loT端末が増えれば、それを管理する人材も増やさなければなりません。これからのネット社会において、インフラエンジニアの価値はますます高まっていくでしょう。
IT×医療やIT×教育など、デジタル化の波はあらゆる業界に広がっています。たとえば、医療分野では遠隔診療をオンラインで行うことで、診断スピードを速めることが可能です。教育の分野では、タブレットや電子黒板の導入によって、教材を準備する時間を減らし、生徒に向き合う時間を増やすことが可能です。ITの活用によって、生産性の向上や作業の効率化などが期待できることから、これまでITとは縁遠かった分野にもITインフラが必要となってきます。デジタル化を支えるインフラエンジニアの需要が減ることはないと言えるでしょう。
インフラエンジニアは今後も活躍が期待される職業ですが、一方で「将来性がない」と言う方もいます。ではなぜ将来性がないと言われているのか?その3つの理由を解説します。
クラウドとは、自分でハードウェアやソフトウェアを保有せずに、インターネット上でサービスの提供を受ける考え方のことです。サーバやネットワーク機器なども、自社でハードウェアを保有するオンプレミスと呼ばれる運用形態から、クラウド上の仮想サーバを利用する形態への移行が増えてきました。自社でサーバを保有する必要がないため、コストやスペースの削減といったメリットがあります。他にも、アクセス増に対してのリソース追加や、新技術へのいち早い対応など、環境の変化に柔軟に対応できることが特長です。
オンプレミスからクラウドへ移行すると、これまで自社内にある物理サーバを構築、運用保守していたインフラエンジニアの業務の一部は、クラウドサービス会社に委ねることになります。従来のインフラエンジニアのすべての業務がなくなるわけではありませんが、オンプレミスであれば物理的なハードウェア機器の知識、クラウドであれば仮想化やクラウドサービスの知識といった具合に必要スキルに違いがでてきますので、エンジニアとしての成長が求められるようになります。
技術革新への対応はITエンジニアにとって重要なことですが、特にインフラエンジニアは、クラウドの普及によって激しい技術変革の中に立たされていると言えます。オンプレミスにも良さがあるため、すべてがクラウドに移行するわけではありませんが、クラウド関連のスキルを習得できるかが今後の将来性に関わってきそうです。
AI(人工知能)の台頭によって、一部のインフラエンジニアの仕事がなくなる可能性は否定できません。サーバやネットワークの運用や保守といった仕事は、マニュアルに従って行う定型作業が多いですが、そういった単純作業に近いものはAIに取って代わられる可能性が高いです。障害が発生したときに、過去の膨大な対応履歴から対処法をピンポイントで導き出すといった作業は、人間よりもAIの方が向いており、そういったサービスの提供はすでに始まっています。技術変革に柔軟に対応できず、これまで通りの環境に甘んじている、中でも定型業務しかできないインフラエンジニアは、将来淘汰されてしまうでしょう。そうならないためには、設計や構築といった上流工程へのスキルアップや、マネジメントやコンサルといった非定型業務の経験値を積み、定型作業だけでないキャリアを目指しましょう。
インフラエンジニアは「残業がきつい」といったイメージがあると思います。確かに、障害対応で思わぬ残業や休日出勤を求められることもあるでしょう。働き方改革で労働環境の改善が経営課題となる中、法定以上の長期労働を強いるブラック企業に就職してしまっては将来性がありません。時間や気力の余裕がなくなり、転職への前向きな行動も取れないという負のスパイラルに陥ってしまうこともあります。
ブラック企業への就職を回避するためには、平均残業時間や残業手当の支給要件、当番制などの勤務体系といった労働条件を求人票できちんと確認することが大切です。
インフラエンジニアの将来性は高いものの、常に自らのスキルをアップデートしていくことが肝心です。現在はクラウド技術の浸透によって、求められるスキルにも変化が出てきています。ここからは、これからのインフラエンジニアが身に付けたいスキルや知識を解説します。
インフラエンジニア未経験の方は、まずはネットワークやサーバの基本知識を身に付ける必要があります。ITインフラの基本は、パソコンをサーバとネットワークでつなぎ、データを各パソコンで共有できるように設計・構築することです。経験の浅いインフラエンジニアは、システム監視や障害対応といった運用保守業務に従事しながら、設計や構築のスキルを身につけていくことが一般的ですが、運用保守においても基本知識は必要です。
オンプレミスでもクラウドでも、ITインフラの基本的な考え方は変わりませんので、根幹となるネットワークやサーバの知識・技術は不可欠なスキルとなります。独学が難しい場合、プログラミングスクールで学ぶという方法もあります。
就職支援付きプログラミングスクール「学舎さくら」では、インフラエンジニア向けのコースもご用意しています。Linux、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど基礎から実践まで、専用のカリキュラムで効率よく学ぶことが出来ます。また、就職サポートでは、インフラエンジニアの求人紹介も行っております。首都圏や高知県でインフラエンジニアを目指す際は、ぜひご検討ください。
これからインフラエンジニアの勉強を始めるなら、クラウド関連の分野は勉強するといいでしょう。現在、サーバの運用はオンプレミスからクラウドへと移行しつつあり、クラウド時代に対応できるインフラエンジニアの需要が高まっています。クラウド上にシステム環境を構築・運用できるスキルを磨いて、既存の定型インフラエンジニアに差をつけるチャンスを掴みましょう。
代表的なクラウドサービスには、AWS(Amazon)やAzure(Microsoft)、GCP(Google)などがあります。資格を取るなら、以下の資格がおすすめです。
Amazonが提供するクラウドサービス「Amazon Web Services」の専門知識を問う資格。「基礎レベル」「アソシエイトレベル」「プロフェッショナルレベル」の3つのレベルで6種類、専門分野レベルで5種類の資格があり、合わせて11種類の資格が用意されています。
Microsoftが提供するクラウドサービス「Azure」の専門知識を問う資格。「Fundamentals」「Associate」「Expert」「Specialty」の4つのレベルで合計17種類の資格があります。
Googleが提供するクラウドサービス「Google Cloud Platform」の専門知識を問う資格。「基礎」「アソシエイト」「プロフェッショナル」のレベルで合計10種類の資格があります。
いずれの認定試験も資格の種類が細かく分かれているため、ネットワークやセキュリティなど、自分の目指したい将来に向けて、資格の取捨選択をしましょう。
外部からの攻撃や内部の不正への対策を施し、Webサービスの悪用や情報流出を防ぐことは、ITインフラを設計・構築するうえで大きな課題です。機密性の高い情報を扱っている企業などで、自社基準の細かいセキュリティ要件がある場合には、カスタマイズ性の高いオンプレスの方が向いていますが、設計・構築を行うインフラエンジニアの高いセキュリティ知識が求められます。
クラウドサービスを利用する場合、クラウドサービス会社で一定水準のセキュリティ対策は行っていますが、それが自社の求める基準を満たしているかを判断するには、セキュリティに関する知識が必要です。また、自社側でアクセス制限や暗号化といったセキュリティ対策を行うこともありますので、セキュリティ関連のスキルを持ったインフラエンジニアの需要は高まっています。
技術的なスキルだけでなく、マネジメントスキルといったヒューマンスキルも大切なスキルです。プロジェクトの開発を行う際、メンバーと進捗状況を確認し、課題の解決に向けてチームを導くリーダー的な存在が欠かせません。「スケジュールに遅延が生じていないか」「トラブルが発生した場合、クライアントにどう報告するか」など、プロジェクト全体を俯瞰する目線や管理能力が重要になります。チームリーダーのような職を目指す場合は、メンバーやクライアントとのコミュニケーション力や先を見て行動できる力など、マネジメントスキルが必要となります。
インフラエンジニアのスキルを高める前に、将来どのようなキャリアパスを描けるのかを知っておきたいですよね。ここからは、インフラエンジニアが目指せるキャリアの一部を解説します。
インフラ構築のスキルを極めたいという方は、ITスペシャリストを目指しましょう。ITスペシャリストといっても、全ての分野の専門家になる必要はありません。ITスペシャリストとは、ネットワークやサーバ、セキュリティなどの特定の分野において高い専門知識を持ち、設計・構築・運用できる技術者のことです。
クラウドも含めた高い技術力が求められる職業ですが、そのスキルを活かして独立したり、インフラ関連の専門企業に属したりすることもできます。
リーダーシップに自信があるという方は、プロジェクトマネージャーを目指しましょう。プロジェクトマネージャーとは、要件定義から納品まで、メンバーの進捗状況を管理しながらプロジェクト成功へと導くマネジメント職です。インフラエンジニアの仕事は作業量も工程も多いため、業務が滞って遅延が発生しないように効率的に管理しなければなりません。プロジェクトマネージャーは実際に作業するわけではありませんが、経験を活かしてチームを上手く管理する力が求められます。キャリアは中小のSlerから大手のSlerへの道が王道で、年齢とともに役職を上げていくことができれば、将来性はより高くなるでしょう。
ITの技術を活かして企業の経営課題を解決したいという方は、ITコンサルタントを目指しましょう。実際に手を動かして作業するわけではなく、企業の経営戦略にITの視点から提案したり、ITに関する推進プロジェクトのサポートを行ったりする仕事です。インフラに関する高い技術力と深い知見に加え、クライアントとの高いコミュニケーション能力も求められます。また、クライアントのニーズを汲み取る力も必要となるため、人の問題を解決するのが好きな方に向いている仕事と言えるでしょう。キャリアは、プロジェクトマネージャーのように中小のSlerから大手のSlerへ進むのではなく、コンサルへと進む流れになります。
インフラエンジニアは将来性の高い職業で、クラウド化やAI技術の発展、勤務形態などの懸念材料はあるものの、スキルアップや求人票の確認で乗り越えていけることが分かりました。キャリアパスとしては、ITスペシャリスト・プロジェクトマネージャー・ITコンサルタントなどがあります。インフラエンジニアの仕事がなくなる可能性は低いですが、技術の変化に合わせて新しいスキルを身に付けて、自身の市場価値を高めていくことが大切です。
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