2021年3月25日
|2022年5月10日
この記事の目次
学歴がなくてもプログラマーになることはできますが、学歴があることは決して無駄ではなく、あった方が有利、というのが結論です。
プログラマーになるために学歴は必須ではありませんが、大学等の教育機関で身につけた知識や技能、集団生活を通じて得た経験、たしなみなどの能力は、プログラマーにとっても必要なものです。
この記事では、学歴不要論の根拠について解説したうえで、学歴がプログラマー就職においてどのようにプラスに働くのか、また学歴がない場合はどのような方法で補えばよいのかを紹介していきます。
プログラマーになるのに、なぜ学歴は不要といわれているのでしょうか。その主な理由は3つあります。
ここからは、それぞれの理由について詳しくみていきましょう。
プログラマーは、プログラミング技術を駆使してシステムを開発する、いわゆる「技術職」ですので評価においては技術力と経験が重視されます。
しかし、現在の日本の教育制度では、プログラミング技術を専門的に学べる専門学校や情報系の大学に行かないかぎり、実践的なプログラミングについて触れる機会は、ほとんどありません。「学歴があるからプログラミング技術が優れている」とは証明できないことが、学歴不要論の大きな根拠になっています。
ITエンジニアの求人情報を探すと、「学歴不問」や「未経験歓迎」といった文字を多く目にします。「学歴不問」の求人がある以上、学歴不要論が出てくるのは当然のことでしょう。
学歴不問、未経験歓迎の求人が多くある理由は、IT業界の人材不足が背景にあります。
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が発行している『DX白書2021』の調査では、日本の企業の約50%が、エンジニア/プログラマー職において「人材が不足している」と回答しています。
このように、IT業界は慢性的に人材不足なため、学歴の有無で制限せず、技術と実績のある即戦力であれば売り手市場となっています。それでも人材は足りないので、将来性のある未経験の人材を集めて育成している企業もあります。
しかし、学歴不問・未経験歓迎の求人は、落とし穴もあるので要注意です。「誰でもいいから人材が欲しい」という求人は、社員の入れ替わりが激しいブラック企業の可能性も否定できないので、ホームページなど確認し、企業リサーチは入念に行いましょう。
プログラマーになるために、学歴が求められる必須資格はありません。
つまり、教師や医者のように、特定の学科を履修しないと資格を取得できない職業ではないので、学歴に縛られずプログラマーを目指すことができます。プログラミング技術の習得だけであれば、独学やプログラミングスクールでも学べるため、必ずしも専門学校や大学に進学する必要はないとも言えます。
”学歴不要論”は、プログラミングの技術力があれば、学歴がなくてもプログラマーになれる、ということを説明しています。ただし、プログラマーになるために「学校に行く意味がない」と考えるのは短絡的です。
プログラマーには、「技術力」に加え「コミュニケーション能力」「素養(論理的思考力・読解力)」などが求められます。ここからは、プログラマーに必要な「技術力」以外の能力と、学歴との関係について詳しくみていきます。
プログラマーには、質問や報告/連絡/相談をする中で自分の伝えたいことを相手に正確に伝え、相手の話をよく聞いて正しく把握する「コミュニケーション能力」が大切になります。
プログラマーは、チーム制でプロジェクトを進めていく機会が多く、チームのリーダーやメンバー、関連部署、協力会社など多くの人と接します。システムエンジニアが作成した仕様書の内容にわからないことがあれば、理解できるまで質問をし、不具合が生じた時は、相談しながら進めていかなければなりません。チーム内での情報共有も重要であり、仕事の進み具合や仕様変更など、報告/連絡/相談を繰り返しながら1つのシステムを作り上げていきます。
長期間にわたって先生や友達など多くの人と触れる学校生活は、いろいろな考えや個性を持った人たちの中で意思疎通を図る社会生活の模擬体験でもあります。環境が変わるたびに新しい友人関係を築いた経験や、不用意な言動で周りの人を怒らせた失敗、部活や行事でのチームプレーなど、学校ではさまざまな人との関わり方を経験できます。つまり、学歴のある方はコミュニケーション能力を高めるのに最適な場所で長期間生活しているため、コミュニケーション能力がそれなりに身についているといえるでしょう。
プログラムを組むにあたって求められる2大素養に「論理的思考力」と「読解力」があげられます。
まず、論理的思考力は「物事を筋道立てて考える力」のことです。プログラマーは、自分が推論して組み立てた論理を検証し、不具合があれば手直しを加えるといった一連の流れを繰り返します。プログラムの一部分でも違えば不具合が生じる可能性もあるため、どのような処理をすればどんな結果になるのか筋道立てて考え、効率性やエラー原因をある程度予測する能力が必要となります。その能力こそが「論理的思考力」です。
読解力は、「文章の内容を正しく把握できる(受信)能力」だけでなく、把握したことについて考え(思考・判断)、相手に正しく伝える(発信)能力も含まれます。プログラマーは、システムエンジニアが作成した仕様書を読み込んでプログラムを作成し、そのプログラムをチーム内で共有する際に説明を求められる場合があります。仕様書の内容を正しく理解した上でプログラムを作成し、内容を第三者にわかりやすく伝える際に必要なのが「読解力」です。
そしてこれらの素養は、数学や国語の授業といった教育機関で鍛えられていきます。難易度の高い受験経験や進学した専攻分野によっては、さらにこれらの素養について訓練される機会が増えるでしょう。
採用選考を受ける際に、新卒か中途採用(転職)かで重視されるポイントが異なります。
新卒の場合、ほとんどの人がプログラマーとしての実務経験がないため、技術力以外の判断基準の比重が大きくなります。その一つとして学歴が必要です。
中途採用(転職)の場合は即戦力が求められるので、学歴よりも技術力と実績が重視される傾向にあります。
それぞれ詳しくみていきましょう。
結論からいうと、新卒からプログラマーを目指す場合、学歴は必要です。
企業が新卒のプログラマーを採用する場合、多くの学生がプログラマーとしての実績がないため、「技術力」だけでなく、これからプログラマーとして活躍できるかの伸びしろが期待されます。これは、育成を前提とした未経験歓迎の求人においても同じことが言えるでしょう。
優秀なプログラマーに必要不可欠の「素養(論理的思考力・読解力)」「コミュニケーション能力」といった基本的な能力は重視されるため、判断基準の一つとして学歴が見られます。また、成長の伸びしろには学習意欲も関わってきますので、過去の学習経験を示す学歴はプラス評価の判断材料です。
特に大手企業は、学歴を重視する傾向にあります。
大手企業は、大量の求職者の中から採用するので、全員と面接するわけにはいきません。応募者をふるいに掛けるために、履歴書やエントリーシートなどの書類選考も重視しています。偏差値の高い有名大学であれば、プログラマーに必要な素養(論理的思考力・読解力)が身についていると判断しやすいため、書類選考では高学歴の人のほうが採用に有利となる傾向があります。
中途採用(転職)からプログラマーを目指す場合に必要なのは、学歴より技術力と実績です。
育成を前提とした新卒採用や未経験採用と違って、現状の人手不足を解消したい中途採用では、応募者に確実なパフォーマンスを求めています。そのため、将来の伸びしろを推測する学歴ではなく、現時点の能力を示す実績が重視されるわけです。
すでにプログラマーとしての実務経験があり、転職を考えている人は、自分は前の企業でどのような業務に携わり、どのような実績を積んできたのか、存分にアピールしましょう。
プログラマーと全く違う業種・職種から転職する場合は、実務経験がないので技術力をアピールできません。プログラマーとは全然違う仕事をしていたのに、なぜプログラマーになりたいと思ったのか、その志望理由と、前職のどういった部分がプログラマーに活かされるのかをうまくアピールしましょう。
学歴なしでもプログラマーになることは可能ですが、企業は学歴がない未経験者よりも、素質を評価しやすい学歴のある未経験者を優先するでしょう。それでも未経験・学歴なしからプログラマーを目指すのであれば、実績や学歴に変わる能力の証明が必要です。
そこで、ポートフォリオの作成や情報系の資格取得など、目に見える形で能力をアピールできる具体的な方法について説明します。
なるべく早く戦力になる人材を求めている企業の場合、実務経験がなく、どの程度のプログラミングスキルを持っているのか分からない未経験者では、書類選考を通過することが難しくなります。そのため、現状のプログラミングスキルについては、はっきりと示す必要があります。「未経験者」という枠の中から採用側の目に留まるためにも有効なのが、ポートフォリオです。
ポートフォリオとは、自身のITスキルを証明するために実績や能力をまとめた資料です。学歴のない未経験者が、学歴がある未経験者に勝つためには、プログラマーとしての素養を学歴以上に証明してくれるポートフォリオの作成が必要不可欠となります。職務経歴書とは別に、自分がプログラミングについて独学で習得した知識や、使用できるプログラミング言語などをまとめた資料を作りましょう。
IT業界のポートフォリオで一番重要になるのは、自分が実際に作ったWebサイトやアプリなどの制作物を見てもらうことです。効果的に自分のスキルを証明するために、オリジナルWebサイトを制作し、そこに自分の実績や能力をまとめたページを用意するという手段もよく使われます。また、文章で自分のスキルを説明するだけでなく、ソースコードを公開できるGitHub を活用することで、自分のコーディングスキルをアピールすることができます。
自信のあることを的確にアピールできる制作物を考え、学習計画とも絡めながら計画的にポートフォリオを作成しましょう。ポートフォリオは、書類選考で自分の実力を示し、面接する価値がある人材だということを、採用担当者に訴えるための大切な資料だと思ってください。
プログラマーになるための必須資格はありませんが、スキルアップや、スキルを証明する手段の一つとして資格を取得することはおすすめします。未経験・学歴なしの場合、書類選考で資格を評価してもらえることは多いので、「プログラマーとして採用されるため」に取得する価値は大いにあるでしょう。
プログラマーとして活躍する分野によって、習得すべきスキルや取得すべき資格は異なってきますが、分野に特化しない汎用的な資格であれば、国家資格の基本情報技術者試験(FE)がおすすめです。基本情報技術者試験(FE)は、経済産業省が実施している資格で、情報処理分野における基礎的な知識を持っている証明になります。
未経験・学歴なしで採用選考を受ける場合、過去の実績がない分、他のアピールポイントが必要です。しかし、「やる気があります!」と形のないものを言葉だけで伝えても、説得力はありません。熱意や学習意欲などは目に見える形にし、志望動機と合わせて面接練習でアピールできるようにしましょう。面接ではコミュニケーション能力も見られています。本番でパニックに陥るリスクを少しでも減らしておくためにも、面接練習は入念に行っておきましょう。
IT系の資格やポートフォリオは、プログラマーになりたいという熱意や学習意欲が目に見える形になった実績です。ただ、それだけでは、「独学で作っているのでやる気はありそう」「資格があるので自己学習はできそう」といった採用担当者の推測にとどまってしまいます。どのような思いや経緯があって作品の制作や資格の取得にいたったのか、そのためにどれほどの学習をしたのかを、言葉で伝えてください。伝え漏れがないように、また効果的に伝えられるように自己紹介や面接官との質疑応答を想定しておきましょう。
採用担当者には、プログラミングへの熱意だけではなく、入社への熱意も伝えましょう。それを示すのは志望動機です。
未経験からの就職であれば、「なぜIT業界なのか」もしくはIT業界と言っても幅は広いので「なぜその業種なのか」から説明しましょう。そこでよく陥ってしまうのが、IT業界に興味がある理由は説明できても、その会社でないといけない理由を説明できないケースです。
求人票に書かれた条件から会社を選ぶのは一般的なことですが、それだけでは志望動機が曖昧なものになりがちです。まずは、その会社が提供するサービスや事業内容、他社にはない特徴や先輩社員の様子など、できる限りの情報を集めましょう。そのうえで、自分の理想や適性とマッチしているポイントや、魅力を感じる特徴などを整理していくことで、自分の中で漠然としていた志望動機を明確にすることができます。
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以上、プログラマーになるための学歴について説明してきました。ポイントをまとめましょう。
・学歴なしでもプログラマーにはなれるが、学歴はあった方が有利
・学歴は「技術力」以外の「コミュニケーション能力」や「素養(論理的思考力・読解力)」の判断材料になる
・学歴が必要かどうかは新卒か中途採用(転職)かで異なるが、新卒の場合は学歴がより重視される
・学歴なし・未経験でプログラマーを目指す場合、ポートフォリオ作成や資格の取得、入念な面接対策が大切
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