2023年5月29日
|2023年6月5日
プログラマーを含むITエンジニアは、これからの産業の成長に欠かせない重要な職業であり、就職を目指す若者も増加傾向にあります。第一生命保険株式会社が毎年小・中・高校生に実施している「大人になったらなりたいもの」ランキングでは、小・中・高校生すべてで10位以内にランクインし、高校生男子では約1割に近い学生がIT業界を志望しています。
引用:第34回「大人になったらなりたいもの」調査結果|第一生命保険株式会社
しかし、その一方で、プログラマーは「きつい」などの意見もあり、プログラマーを志望することに不安を持っている方も多いのではないでしょうか。この記事では、プログラマーがきついと言われている理由を探り、あわせてプログラマーの魅力や、どんな人が向いているのかについても解説します。
この記事の目次
プログラマーとは、コンピュータにプログラミング言語を使って指示を出す作業(プログラミング)を行う仕事です。プログラマーと一口に言っても、開発するものは業務用システムやアプリケーション、ゲームやWebサイトなど、さまざまな種類があります。
システムに実装させる機能を決め、コンピュータにどのような処理をさせるのかが決まれば、プログラマーがコンピュータに指示を出していくのですが、コンピューターは人語を理解できないため、プログラミング言語で翻訳してあげなければなりません。その際に「いかに手順が少なく効率が良いコードを書けるか」がプログラマーの腕の見せ所でもあります。
プログラマーの仕事のきつい部分を理解するには、プログラマーの働き方を知る必要があります。パソコンに向かって作業しているイメージだけでなく、プログラマーを取り巻く環境を想定しながら考えていきましょう。ここでは、きついと言われる理由で主なものを7つご紹介します。
プログラマーが所属するIT企業が、クライアントからITサービス開発の受注を受けた場合には、プロジェクトの納期が設定されています。しかし、プロジェクトにおいては、さまざまな問題が発生します。自分が担当している工程での予期せぬバグやエラーもあれば、チーム開発であるがゆえに、他のチームメンバーが抱えた問題が影響してくることもあるでしょう。チームメンバーがやめてしまうことによるシワ寄せなども考えられます。そのような状況でも納期は迫ってきますので、スケジュールが予定から遅れるほどプログラマーの残業や休日出勤は増えてしまうという業界構造があります。
技術職という業務の特性上、個々人の経験やスキルに依存してしまう部分もありますので、企業やプロジェクトの状況によっては、納期にかかわらず一部の人材へ業務が偏ってしまうこともあるでしょう。
プログラマーは自社開発でない限り、クライアントの依頼がないと仕事は成立しません。そのため、契約内容は厳守する必要があります。しかし、契約をとってくるのは主に営業担当の仕事なので、いざふたを開けると仕事量に見合わない予算で、残業前提の工数管理といったことも。さらに、いざ業務にとりかかると、仕様変更や機能追加の依頼を受けてきて、納期調整もできていないといったこともありえます。
そうなると労働時間が増加するだけでなく、営業担当に対して感じるストレスや関係部署との調整作業などにより、精神的にもきついと感じることがあるかもしれません。
IT業界は深刻な人手不足に陥っており、経済産業省の「IT人材需給に関する調査」では、2030年にはプログラマー含むIT人材が最大で79万人不足すると予測しています。人手不足のためプロジェクトに十分な人員を確保できず、ギリギリの人数で遂行しなければならない状況であれば、一人当たりの業務量が多くなり、時間外労働が増えてしまう要因となります。
引用:「- IT 人材需給に関する調査 - 調査報告書」みずほ情報総研株式会社
プログラマーは、パソコンに向かって黙々と仕事をしているイメージで、他人とコミュニケーションをとる機会が少ないと思われがちです。しかし、実際の現場ではコミュニケーションが非常に重要となります。
プロジェクトはチームで行うことが多いため、進捗状況や課題などはメンバー間で共有し合うことが必要です。指示を出す方も受ける方も、わかりづらいコミュニケーションを取っていては後々のトラブルにつながりますので、コミュニケーションの頻度だけでなく、プレゼン力や理解力といったスキルも求められます。
大規模案件になるほど接する人数も増えるので、コミュニケーションが苦手な人にはきついと感じるかもしれません。
プログラマーの働き方には大きく分けて「自社勤務」と「客先常駐」があります。客先常駐とは、IT業界での働き方の一つでSES(システムエンジニアリングサービス)といった業態で多く見られる働き方です。SESでは、自分の所属する企業ではなく、クライアント企業に常駐して労働力や技術力を提供します。数ヵ月~数年単位で職場が変わるため、以下のような理由できついと感じている人が多いようです。
また、SESではスキルアップできるかどうかについて、案件に左右されるということもあげられます。プロジェクトの重要な部分はクライアント企業の社員が担当し、任されるのは単純な業務や雑用ばかりという案件であれば、スキルアップが難しくなるでしょう。
IT業界では「多重下請け構造」が恒常化しています。多重下請け構造とは、クライアントから依頼された業務を元請け企業→二次受け企業→三次受け企業→…というように下層にまわしていく構造のことです。下請けに回るほど中間企業にマージンを抜かれるため、従事する社員の給料が安くなりがちです。
また、プログラマーは技術職のため、経験年数やスキルに応じて給与が決まる場合も多く、未経験者や経験年数が浅い人などは給料も安い傾向にあります。
IT業界は技術革新の早い業界です。自分の扱えるスキルが時代遅れになってしまっては、プログラマーとしての需要がなくなってしまうため、常に最新の情報や技術をキャッチアップし、学習を継続して行えるスキルが必須と言えるでしょう。
業務以外のプライベートの時間でもスキルアップの学習を継続して行わなければならないため、向上心がない人、最新の技術に興味関心が薄い人、学習を継続して行うのが苦手な人などにはきついと感じるでしょう。
プログラマーが「きつい」とされる原因について紹介してきましたが、志望者の増加からも見て取れる通り、魅力も多い仕事です。きつい理由として挙げた特徴も、メリットと両面になっている部分が存在します。ここからは、ネガティブ情報と比較しながら検討できるよう、プログラマーの魅力について紹介していきます。
プログラマーがきついと感じる大きな要因に、長時間労働に従事する可能性が挙げられます。納期や顧客都合、人手不足など、長時間労働につながる原因はさまざまです。
しかし、近年の働き方改革の影響はIT業界にも及んでおり、そういった状況は改善されつつあると言えます。具体的には、2019年4月から労働基準法の改正により有休休暇の取得が義務化されたり、法の上限を超える残業時間に罰則が課されるようになってきました。法による制限だけでなく、業界団体も長時間労働を問題視し、是正への取り組みが広がっています。
また、政府や業界団体といったトップダウンの取り組みだけでなく、それぞれの企業も人材の不足を解消するため、自社の働き方を改善し積極的に開示するようになってきました。就職・転職活動の際は、求人票のチェックや面接時の質問などで残業実績などを聞いてみましょう。
下請け企業やSES企業に勤めることをきつさの中で紹介しましたが、実際の就職活動では、それらの企業が未経験就職の受け皿となっています。そのため、プログラマーはスキルを求められる技術職でありながら、未経験からでも挑戦しやすい職業となっています。特にSES企業はネガティブなイメージもありますが、未経験からITエンジニアとしてのキャリアをはじめるうえでは、有力な就職先候補となるでしょう。SESといった客先常駐での働き方には、次のようなメリットもありますので、ベテランやフリーランスのITエンジニアでも客先常駐で活躍している人は多くいます。
IT業界は転職のしやすい業界です。人材不足により多くの企業が即戦力の採用を求めていますので、身に着けたスキルや実績次第で自分の市場価値を高めていくことができます。自社内で年収アップが望めないのであれば、実績とスキルをアピールすることでキャリアアップを目指す転職も選択できるでしょう。スキルを身に着けるための学習や努力が前提とはなりますが、未経験からの就職のしやすさと相性が良いメリットと言えます。
業界の特徴としては、「テレワークと相性が良い」「フリーランスの仲介エージェントがたくさんある」といったことも挙げられます。スキルが身につけば、働き方を視野に入れた転職もしやすくなるでしょう。
また、キャリアパスも豊富です。専門分野の知識を深めてプロフェッショナルとなる道もあれば、他のプログラミング言語やITインフラの知識を広く身に着け多方面の技術を一人でこなせるエンジニアになることもできます。システムエンジニアとして設計に携わっていくこともあれば、チームリーダーなどを経てマネジメント能力を伸ばしプロジェクトマネージャーを目指すこともできるでしょう。自分の興味や努力次第で、いろいろな市場価値の高め方ができることはプログラマーの魅力です。
プログラマーのきつさと魅力の両方を紹介しましたが、メリットを享受するには、個人の適性も影響します。ここでは実際にどんな人がプログラマーに向いているのか、主なものを4つ紹介していきます。当てはまらない人でも活躍しているITエンジニアはたくさんいますし、すべてに当てはまることは難しいので、あくまで参考程度に読んでみてください。
プログラマーは、プログラミングによってゼロからシステムやサービスを作り上げていく「モノづくり」に携わる職種です。そのため、モノづくりが好きな人や、要件から完成品を想定できる発想力が豊かな人が向いていると言えます。
自分がプログラミングして出来上がったモノが、多くのユーザーに使用されるようになった時に感じられる喜びや達成感は、プログラマーならではの醍醐味の一つでしょう。
プログラマーは、現状のスキルだけで満足してしまうと、技術の変化次第では市場価値が下がってしまう可能性もあります。そのため、最新の情報をキャッチアップし、新たな知識やスキルを習得していくことが求められます。ニュース系サイトやSNS、エンジニアが集うコミュニティなどから日常的に情報を収集するのが苦にならない人、自分にとって必要なスキルを学習し続けていくことができる人はプログラマーに向いていると言えるでしょう。
開発プロジェクトの中では、予期せぬエラーや顧客からの要件追加など、計画外のことが発生します。そのため、プログラマーには、あらゆる状況下で臨機応変に対応できる人が向いていると言えます。何か問題が起こるたびにパニックになる人、固定観念が強い人、物事を柔軟に考えることが苦手な人などはストレスが溜まりやすいかもしれません。
「なぜこのようなことが起きたのか、どうすれば解決できるのか」を冷静に考えられるプログラマーになるためには、プログラミングに関する豊富な経験や知識・スキルが必要です。また、問題が起きてからではなく、日ごろからスケジュール管理を行い、余裕を持った体制作りを行えるプログラマーは信頼も高まり、周囲から重宝されるでしょう。
「論理的思考力(ロジカルシンキング)」とは、複雑な物事の関係を体系的にとらえ、筋道を立てて考える力のことをいいます。
プログラマーは「プログラミング言語」を用いてコンピューターに指示を出します。人間であれば曖昧な表現でも伝わりますが、コンピューターは適切な順番で明確に指示を出さないと動作せず、1文字違っているだけでもエラーとなります。システムを正常に作動させるためには「どのような順番で、どのようなプログラムを組めばよいのか」を筋道立てて考えなければなりません。
さらに、エラーやバグが生じたときに「どこに原因があり、修正するためにはどうすればよいのか」を考える際にも論理的思考力が必要であり、プログラマーにとっては欠かせないスキルとなっています。
未経験からプログラマーになるには、独学でプログラミングスキルを身につけて求人サイトで仕事を探す方法や、就職/転職エージェントを利用する方法、プログラミングスクールに通う方法などがあります。
独学の場合は、学習と就職活動を一人で行うことになりますので、どのような方法で何を学習すればよいのか、どのような就職先があるのかなど、下調べをしっかり行っておきましょう。プログラミングスキルの幅は広いので、就職に役立たない学習とならないよう注意が必要です。
IT業界には多くの職種と企業がありますので、自分に合った就職先がわからない場合は、就職/転職エージェントを利用する方法があります。希望の条件に合った就職先の紹介を受けられるだけでなく、エージェントを通して不安点を解消しやすいので、イメージと実態のギャップによる離職リスクを低減することも期待できます。
学習と就職活動の両方でサポートを受けたいのであれば、プログラミングスクールがおすすめです。プログラマーになるために必要なカリキュラムが組まれているので、学習計画を悩む手間が省け、講師のサポートにより効率的な学習を行うことができます。就職/転職サポート付きのスクールであれば、キャリアコンサルタントに相談し、就職先の紹介を受けることも可能です。なるべく早くプログラマーとして働きたい、あまり学習期間に時間を費やせない、独学で挫折した経験があるといった人はプログラミングスクールを検討してみるとよいでしょう。
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プログラマーがなぜ「きつい」と言われているのかその理由を解説しましたが、業界で問題視され是正されてきている課題もあれば、メリットと両面で考えるべきこともあります。
プログラマーは未経験からも就職しやすく、実績を積んでスキルを身につければ、魅力が多い職業です。未経験からプログラマーを目指すのであれば、ぜひプログラミングスクールの受講を検討してみてはいかがでしょうか。「学舎さくら」なら、完全無料で最短3ヶ月でプログラマーを目指せるので、気になることがあれば随時開催している説明会に参加してみてください。
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